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半世紀記念によせて。

2015.05.20



階段を上ると、脚やら膝やらがキツくてね…と、日頃から階段を極力避けている母が、上階の私の家を訪ねて来た。昨日の朝のことだ。母は息が上がっているコトを隠しつつ、“あんた、これ。明日、誕生日でしょ。”と包みを差し出し、続けて“ワンコの病院通いでこんなもんしかあげらんないの、悪いね…”と言った。1日早いプレゼントに戸惑っていると、“明日は病院とかで忙しいし、今日は脚の調子が良かったから。”と言い、じゃあね…と階段の方へと戻っていった。手を貸そうと声をかけると、後向きに降りれば大丈夫だからと私を制し、数段降りた後、“でも、あんた、良かったわ。”と、やっと言い出せたコトバみたいに、さっきより大きい声で母が言った。



唐突なコトバに“なんが?”と聞き返すと、ちょっと顔を歪ませて笑って、“今が一番、幸せそうだから、あんた”…と母。そして、すぐまた、注意深く足元を気にしながら後向きに階段を降りて行ってしまった。

私にしてみれば突拍子もないコトバだった。べつに、今までが不幸だったわけではないし、過去も過去で、そりゃあ少し人並みより外れていた道だったかもだけど、私自身は楽しかったし、幸せな時間だってたくさんあった。間違いなく。でも、あの母が言うのだ。“幸せに…”とか“幸せか?”とか、そうゆう類のコトバを口にしたことのない、あの母が。

そうか、母の持つ“娘の幸せ”のモノサシに、今の私が重なったんだ。。と感じた時、私の奥がどんどん熱くなって溢れて止まらなくなった。本当はずーっと、気がついていた。母の期待の反対側を確実に歩いているだろう自分を。でも、今まで生きてきてやっと、ひとつ、親孝行できたかもしれない。母のあのコトバは、一生母の期待には応えられないと思ってた私にとって、なによりのプレゼントになった。

お母さん、私を産んでくれて、
本当にありがとう。



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